
前回からの治療経過
こんにちは!井口歯科クリニック歯科衛生士の杉山です。
今回は、大人の歯列矯正症例の第2回です。
前回からの治療経過と、患者さんからよくいただく
「歯の動きが遅いけど大丈夫ですか?」
というご質問についてお話しします。
まずは治療経過をご紹介します
今回の患者さんは、上下左右4番目の歯(第一小臼歯)を抜歯し、そのスペースを利用して前歯を後ろへ下げる治療を行っています。
現在は抜歯したスペースもかなり閉じてきており、前歯も以前より後方へ移動してきました。
ただ、この患者さんは歯が比較的ゆっくり動くタイプのため、完成まではもう少し時間がかかる見込みです。

「歯の動きが遅いけど大丈夫?」
矯正治療中によくいただく質問の一つが、
「ちゃんと動いていますか?」
というものです。
結論から言うと、
ゆっくりでも順調に動いているケースはたくさんあります。
歯が動くスピードには大きな個人差があります。
動きが早い方もいれば、ゆっくり進む方もいます。
また、大人の矯正では年齢とともに骨の密度が高くなるため、お子さんに比べて歯の移動に時間がかかる傾向があります。
大人の矯正に時間がかかる理由
一般的に大人の矯正期間は
約2年半~3年
が目安といわれています。
その理由として、
- 歯は少しずつしか動かせない
- 抜歯矯正では歯を大きく移動させる必要がある
- 歯を前後だけでなく、角度や高さも細かく調整する
- 歯や骨への負担を考えながら安全に治療を進める
などがあります。
特に、歯を上下方向(垂直方向)へ動かす調整は時間がかかることがあります。
「もっと強い力で早く動かせないの?」
そう思われる患者さんも少なくありません。
ワイヤー矯正では、細く柔らかいワイヤーから始め、少しずつ太く硬いワイヤーへ交換しながら歯を動かしていきます。
もし最初から強い力をかけてしまうと、
「歯根吸収(しこんきゅうしゅう)」
という歯の根が短くなる現象が起こる可能性があります。
歯根吸収は、
- 体質
- 大きな歯の移動
- 治療期間
など様々な要因が関係しますが、必要以上に強い力を加えることもリスクの一つです。

また、痛みも強くなり、食事や歯みがきなど日常生活に影響する場合があります。
そのため当院では、その時々の歯の状態に合わせて最適なワイヤーを選択し、無理のない力で安全に治療を進めています。
毎日見ていると変化に気付きにくいものです
歯は毎日少しずつ動いているため、ご自身では変化を感じにくいことがあります。
「本当に動いているのかな?」
と心配になる方も多いですが、定期的に写真を比較すると、少しずつ確実に変化していることが分かります。
矯正治療は時間がかかる治療ですが、その積み重ねが理想的な歯並びにつながります。
まとめ
今回の患者さんも、歯の動きはゆっくりですが、着実に前歯が後方へ移動し、抜歯したスペースも順調に閉じてきています。
矯正治療は焦らず、一歩ずつ進めることが大切です。
歯みがきやMFT(口腔筋機能療法)も継続しながら、一緒にきれいな歯並びを目指していきましょう。
【監修】井口歯科クリニック 院長井口
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