こんにちは!歯科衛生士の太田です。
今日は、最近ご来院される患者さまに多く見られる、「原因のはっきりしない歯の痛みや違和感」についてお話ししたいと思います。
実はその症状、TCH(歯の接触癖)が関係しているかもしれません。

目次
1. 歯の違和感、原因が分からないことありませんか?
「なんとなく歯が痛い気がする」「違和感があるけど虫歯ではないみたい」——そんな経験はありませんか?
最近、当院でもこのような症状で来院される方が増えています。検査をしても虫歯や歯周病といった明らかな原因が見つからず、患者さまも戸惑われることが多いです。
その原因の一つとして注目されているのが、TCH(歯の接触癖)です。
2. TCH(歯の接触癖)とは?
TCH(Tooth Contacting Habit)とは、無意識のうちに上下の歯を持続的に接触させてしまう癖のことです。
「歯を食いしばる」というほど強い力ではなくても、弱い力であっても長時間にわたって接触が続くことで、歯や顎に負担がかかってしまうのです。
実は、何もしていないときの正常な状態では、上下の歯はわずかに離れているのが自然なんです。
上下の歯が接触する時間は、1日平均でたったの20分程度(会話や食事など)といわれています。それ以上に歯が当たっている方は、TCHが疑われます。
3. TCHによって起こる主な症状
TCHが続くことで、以下のような症状が現れることがあります
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顎関節症(口が開けづらい・音が鳴る・痛みがある など)
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詰め物や被せ物が取れやすくなる
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歯のすり減り(咬耗)や欠け・ヒビ
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口内炎の繰り返しや悪化
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咬み合わせの違和感
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歯周病の進行
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知覚過敏(しみる症状)が治りにくい
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頭痛、肩こり、首のこりの悪化 など
お口の中だけでなく、全身にまで影響を及ぼすことがあるのです。
4. TCHの改善方法(セルフケア)
TCHは無意識のうちに起こる癖なので、まずは「気づく」ことがとても大切です。
私たちがおすすめしているセルフケアはとてもシンプルです。
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「歯を離す」と書いたメモや付箋を、目に入りやすい場所に貼っておく(デスク、スマホ、鏡、冷蔵庫など)
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そのメモを見たときだけ、今自分が歯を接触させていないかチェックする

それ以外のときは、あまり意識しすぎず、気にしすぎないようにしましょう。過度な意識は逆にストレスとなり、TCHが悪化してしまうこともあります。
この方法を続けることで、徐々に歯を接触させている時間が減っていきます。
年齢や性別に関係なく、誰にでも起こりうる癖なので、気になる方は一度チェックしてみてくださいね。
「もしかして自分もTCHかも?」と思った方は、どうぞお気軽にご相談ください。
